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2011年11月21日

ウルトラセブンを訪ねて(後編)

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車で回る六甲山・摩耶埠頭編

『ウルトラ警備隊西へ』の冒頭に、「東洋一のマンモス港、神戸は…」というナレーションが入ります。
神戸といえば大きな港というイメージから、作品の中で重要なシーンの多くが神戸港で撮影されています。
とはいえ港の範囲は広く、また放映当時から40年以上たち周囲が大きく変わりました。
ロケ地の特定は難しかったのですが、劇中で登場した現存する建物などを手がかりに、昔の写真や地図を参照しながら探してみました。
電車では行きにくい場所が多いので、今回は車で回ることにしましょう。

はじめに見つけたのは、『~西へ』の後編で、ソガ隊員が船乗りに扮装し、異常がないことを報告するシーンで使われた摩耶大橋です。

残念ながら現在、摩耶大橋の横には港湾幹線道路が出来ていたり、ロケ現場の階段付近には立ち入ることがちょっと難しそうだったので、遠巻きに摩耶大橋東側出入口の方から撮影しました。

ソガ隊員がパイプをくわえていた摩耶大橋 =神戸市中央区小野浜町11

次に探したのは金髪の美女(偽ドロシー)とダン隊員が対峙したり、秘密諜報員が偽ドロシーを待ち伏せした場所です。摩耶大橋のある摩耶埠頭らしいことは推測できますが、当時、船が停泊していた場所も埋め立てられており、特定作業は難航。
しかも、摩耶埠頭は倉庫会社の敷地などが多いため、自由に入れるところが限られます。

偽ドロシーを待ち伏せするシーンに使われた場所=摩耶埠頭

背景の山の形や逆L字型のビルが一致することから、上記の写真の場所を特定しました。

当時、このあたりは突堤で写真の右半分は船が停泊できるようになっていました。
今は埋め立てられ、左側にあったD倉庫はさらに海側に移動しています。

「旧新港第五突堤信号所」

偽ドロシーことペダン星人がダン隊員と話す場面があります。
地球人に不信を抱くペダン星人に対し、セブンが和平交渉を持ちかける比較的長いシーンですが、よく見るとバックの夕日の中に灯台のシルエットが浮かんでいます。
形状から「旧新港第五突堤信号所」のようです。
今は神戸ハーバーランドの海辺にありますが、撮影当時はその名の通り新港第五突堤にありました。

この灯台の存在からロケが摩耶埠頭で行われていたことが分かります。

この近くで“新兵器”を積んだ四輪駆動車が撮影された

キングジョーを倒すために最新兵器「ライトンR30爆弾」を積んだウルトラ警備隊の四輪駆動車が到着。
このあたりから爆弾を発射しました。背後にかまぼこ型の倉庫が見えますが、この倉庫はいまも残っており、場所の特定に役立ちました。

作品には海辺のシーンが数多く登場します。
同じ神戸港でも、ポートタワー周辺は観光地ですが、摩耶埠頭はハマの男たちが汗を流す職場です。

セブンを知らなければ、訪れることはなかっただろうな、と思うと夕日がさらに美しく見えました。

続いて六甲山のロケ地を訪ねてみましょう。
ロケ地の特定が特に難しかったのが、神戸のお譲さま?に扮したアンヌ隊員が、車から通信機で報告するシーンです。

背景の建物が洋風建築だったため、当初は神戸・北野の異人館周辺か芦屋の教会あたりと思っていましたが、調べてみると六甲登山口の交差点から北側に上がったところに、かつてあったホテル「六甲ハウス」らしいことが分かりました。

「六甲ハウス」のパンフレット

「六甲ハウス」のパンフレットの玄関アップ

 

パンフレットに写っている入口のアーチ型の飾りやランプの形などが決め手の一つになりました。

 

建物自体は1977年に解体され現在、敷地は学校法人六甲学院の所有となっているそうです。

南には阪急六甲駅と、北は六甲ケーブル下駅につながる道路に面しており、高校生や大学生たちの姿もよく見られます。
跡地の西側には小川が流れ、周囲は山の手の住宅街になっています。

さらに六甲山の方向に進みましょう。
県道95号を北へ、六甲山に向かう途中にあるのが赤いパイプアーチが鮮やかな『新六甲大橋』です。
ここは歩道のない道ですので、車を止めずに車内から写真を撮りました。

「新六甲大橋」

橋を渡ると急カーブに差し掛かります。ここでポインターを検問するシーンが撮られたようです。

警備の人が立っていた道

 

カーブの先には六甲山を南北に貫く六甲山トンネルがあります。
このトンネルの内部でポインターが走るシーンが撮られました。

 

 

今回のロケ地巡りはここまで。
いかがでしたか。劇中には阪神間の海と山が随所に見られますが、撮影当時の神戸は海も山も建設ラッシュでした。
セブンの撮影が行われた1967年は、六甲山トンネルや摩耶埠頭が完成した年にあたり、セブンのロケ隊が出来たばかりの新しい“まち”をうまく利用していたことが分かります。

ちなみに、アニメ作品『攻殻機動隊』に登場する海上人工都市のモデルになった「ポートアイランド」の工事が始まったのが、前年の1966年です。
「山、海へ行く」と呼ばれた神戸市の都市開発が大きく動き出した時代でした。
人々の暮らしがどんどん豊かになる一方、自然破壊や心の豊かさとは何かを問う意識も生まれていました。明るい未来を信じて疑わない、でも、これでいいのだろうか、という思いがウルトラセブンの作品にも見え隠れしているような気がします。

………………………………………

■メモ 旧新港第五突堤信号所

 

「旧新港第五突堤信号所」の石碑文

旧新港第五突堤信号所は、八角形のコンクリート土台に立つ、高さ46メートルの鉄骨塔。
新港第四突堤に設置された1921年当時は、東洋一のノッポ信号所だった。その後、第五突堤に移されたが、カラフルな旗旒(きりゅう)信号で長年、行き交う船の案内役を70年以上も務め上げた。
退役後、一度は解体の危機にさらされたが、92年、ミナト神戸の歴史的施設として神戸市が第五管区海上保安本部(神戸)から譲り受け、港が一望できる観光の新名所・高浜岸壁に移築された。

 

 

■メモ 六甲ハウス

六甲ハウスの石碑

 

ホテル「六甲ハウス」は加治佐三四郎の設計、金吉鋼四郎の施工で昭和12年に完成。
木造2階建ての建物で、戦後は学生寮になっていた。

六甲学院生徒研修所の敷地の南側に「六甲ハウス」の石碑がある。

摩耶埠頭から車で約16分。
住宅街の中なので見落とし注意です。

 

■ワンポイントアドバイス
・市バスで行く「摩耶埠頭」
摩耶埠頭へは神戸市営バスでも行けます。
「三宮駅ターミナル前」から29系統に乗車。ロケ地に一番近い停留所は「摩耶大橋」です(料金大人200円、こども100円)。
付近の車道は広々として見通しは良好ですが、大型トラックが頻繁に行きかっているため、道を渡る際には十分注意してください。

■取材協力
港まち神戸を愛する会事務局 中尾嘉孝氏

 

■ ウルトラセブンを訪ねて(前編)

 

 

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