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2011年12月29日

ウルトラセブン「神戸ロケ地探訪」(前編)

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いまもえ制作委員会はこれまで、ウルトラセブン『ウルトラ警備隊西へ』のロケ地を一通りめぐり、巡礼マップを作りました。しかし、まだまだ満足がいきませんでした。主要なロケ地だった摩耶埠頭エリアの大半が、普段立ち入り禁止になっており、納得のいく検証ができなかったからです。

 

そこであらためて、ロケ地探訪をしようと、「神戸フィルムオフィス」さんのアドバイスを受けながら、神戸みなと総局に取材申請をしました。同エリアは、民間倉庫の敷地部分が多いことや、「米同時多発テロ」以降、神戸港の警備体制が年々厳しくなっており、簡単には入れません。港湾管理者の立ち合いが必要ということでしたが、なんとか許可がおり、某月某日、ロケ地探訪を決行することになりました。

 

20代のスタッフだけでは検証が難しいため、この日は、頼もしいアドバイザーにもご協力をいただきました。神戸市灘区在住で、地域ポータルサイトを主宰している慈憲一さんです。灘区をこよなく愛する慈さんは、サイトやイベントなどを通じて、地域の面白さや奥深さを広く伝える活動を続けています。ロケ地探訪では、摩耶埠頭から六甲山へと、灘区を縦断するルートをとるため、地元に詳しいガイドが必要でした。また、慈さんは独自にウルトラセブンについても情報収集されており、強力な“助っ人”として同伴していただきました。

 

午後1時、スタッフ3人は阪急王子公園近くの水道筋で慈さんと待ち合わせ、最初の目的地である摩耶埠頭を目指し、浜手の工業地帯へ車を走らせました。

 

「このあたりの散髪屋さんはロシア語が話せるんです。料理屋でボルシチが出たり…」。車内ではさっそく、慈さんが灘エピソードを披露してくれました。摩耶埠頭にはロシア船籍の船がたくさん入ってきたとのこと(フィリピン船も多い。一方で三宮周辺は欧米船)。また、埠頭の手前にはかつて国鉄の貨物専用駅があり、入り組んだ線路の中で遊んだ?とか,、大人の灘クミンにとっては摩耶埠頭は車の練習場だとか。いまもえスタッフは「ヘェ―!」と感嘆するばかりです。

 

10分ほどで摩耶埠頭に到着しました。現地で私たちを監視?案内してくれたのが神戸市みなと総局神戸港管理事務所の宇佐美康夫さんです。そのお顔を拝見しながら、どこかで見たことがあるような、と話を向けると、かつて朝日放送『探偵!ナイトスクープ』(2009年「天才バイク青年に会いたい」)に出演されたとのこと。お話がおもしろい!のですが、残念ながらこのページでは割愛させていただきます。

取材に同行していただいた神戸市みなと総局の宇佐美さん

 

 

宇佐見さんの案内のもと、敷地内のロケ地確認へ向かいます。摩耶埠頭は劇中で特に重要なシーンが撮影されており、なんとしてもチェックしておきたいところ。テロ対策で作られたという金網のフェンスをくぐり、倉庫群の敷地に入りました。

 

まずはキングジョーに向けてソガ隊員が「ライトンR30爆弾」を発射した倉庫前へ。手前に映っていたA倉庫と奥にあるE倉庫は当時そのままに残っており、後方の建物や六甲山系の形とも一致します。周辺はハマの男たちがフォークリフトなどを動かしてしましたが、宇佐見さんの呼びかけで、撮影時間を作っていただきました。みなさん有り難うございました。

ロケとおなじアングルの撮影に成功

 

 

摩耶埠頭の倉庫や海際の車止めにはオレンジ色の塗装が目立ちます。宇佐見さんによれば、神戸港の埠頭ごとに判別するためだそうで、摩耶埠頭はオレンジ色、新港埠頭は青、ハーバーランドの方は緑とか。港のシーンの車止めは何色だったか、と思い出してみましたが…夕焼けに染まっていて、分かりません。

ロケ現場の特定へ。慈さん(左)宇佐美さん(中央)に検証を手伝っていただきました

 

 

そして普段は歩くことができない、摩耶埠頭の西南端へ! 劇中ではドロシー(に扮するペダン星人)とダン隊員が「宇宙人同士の約束」を交わす重要なロケ地です。

摩耶埠頭の最西端に到達

いまもえスタッフが持ち込んだノートパソコンで摩耶埠頭でのシーンを宇佐美さんに見てもらったところ…

 

 

「(映像に映っている)これ、100t(トン)ビットちゃうか?」

 

これが「ビット(繋船柱)」

 

ビットとは、船舶を岸壁につなぎとめるときに使うロープをかける繋船柱(けいせんちゅう)のこと。宇佐美さんは、ダンの腰あたりまである大きなビットを見ながら、これがあったのは摩耶埠頭に間違いない、と指摘するのです。携帯電話で、当時を知る関係者に確認もとっていただきました。「100トンビット」というハマの言葉に、参加者一同、大興奮でした。

 

現在、摩耶埠頭に付けられているのは50トン、70トンクラスですが、以前はそれより大型の100tクラスがあったそうです。阪神・淡路大震災の後に、埠頭の用途が変わり外されてしまったものの、「土台は残っている」と宇佐美さん。残念ながら、土台周辺はパレットなどが積まれて確認できませんでしたが、摩耶埠頭がロケ地である確証を得た瞬間でした。

 

 

かつてのロケ地に立つ皆さん

「今までウルトラセブンのロケ地は新港埠頭かもしれない、という説があったけれど…」と、周囲をつぶさに観察していた慈さんがつぶやきます。「間違いない。ロケ地は摩耶埠頭や」「港を撮ったシーンが幾つもあるが、摩耶埠頭のあちこちの端を使ってたんやね」。

 

 

その場にいた全員が胸を熱くしていました。

 

             ◇

 

立ち入り禁止エリアの岸壁を堪能した後、摩耶大橋の東端へ向かいました。ここは、船員姿に変装したソガ隊員が、パイプをくゆらせつつ「異常ありません」とキリヤマ隊長に報告するシーン撮られた場所です。劇中では、斜め下より摩耶大橋の真ん中に立っている主塔(宇佐美さんいわく「やじろべえ」)が、すっきりと映っていました。今では大橋に並行して港湾幹線道路が付けられため、空がふさがり窮屈な風景になったのは残念。

摩耶大橋の東端

 

 

しかしソガ隊員の後方に映りこんでいた階段はそのまま残っています。大橋の支柱も耐震工事が施されていますが、全体の形は変わっていません。胸を躍らせながら、カメラを出しました。すぐそばまで船が迫り、敷地にはトレーラーの荷台が並んでいるため撮影しづらい場所でしたが、間に分け入ってなんとかアングルを特定! この階段周辺までは一般の車でも近づけるため、「今後のロケ地探訪にも立ち寄れるぞ」などと考えながらシャッターを押しました。

ソガ隊員が映ったアングル

 

 

以上で摩耶埠頭と摩耶大橋の探訪が終わり、ここで宇佐見さんとお別れです。向かう先々で港湾関係の方へ豪快に話をつけていただきました。感謝、感謝です。また「埠頭は1平米2tぐらいしか耐えられないので、怪獣が上陸することはできないはず」と、専門知識に基づいた空想科学話なども披露していただきました。ありがとうございました!

慈さんご持参のキングジョーと

 

 

次回の神戸ロケ地探訪(後編)では、六甲山を再びめぐります。ここでも新たな発見が…。

 

■協力

神戸フィルムオフィス http://www.kobefilm.jp/ 

「神戸の街で映像ロケが頻繁に行われるようにするため、映像プロジェクトの神戸への誘致活動やロケーション撮影に対するワンストップサービスなどを行う「神戸フィルムオフィス」を、AFCIの日本第1号の正式会員に認定されたのを機に、2000年9月13日に開設しました」(公式サイトから)

地域ポータルサイト「ナダタマ」主宰・慈憲一氏  http://www.nadatama.com

工業デザイナー、摩耶山リュックサックマーケット世話人、灘百選の会事務局長

 

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