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2012年3月28日

「仮面ライダー」聖地巡礼・有馬編

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仮面ライダー第71話『怪人アブゴメス 六甲山大ついせき!』のロケ地を追い、前回は物語に沿って、神戸市の中央区を海側から山側に巡りました。肝心なのはこれから。神戸ロケの醍醐味は、物語の後半の舞台となる「有馬」、そして周辺に点在するバトルシーンが撮られた六甲山系の自然です。今回は有馬温泉街の中心部から近い聖地をみていきましょう。

 


 


市営地下鉄の三宮駅から北神急行線で谷上駅まで。さらに神戸電鉄に乗り替えて有馬口駅を経由します。三宮から30分ほどで、日本を代表する温泉街の有馬に到着です。神戸電鉄有馬温泉駅を降りれば、あたりは国内外からの観光客でにぎわいをみせています。

温泉街の玄関口ともいえる駅周辺で、一際目を引くのが赤い格子の「太閤橋」です。橋のたもとから街の様子を眺めてみます。

 

太閤橋から温泉街を望む=神戸市北区有馬町

作品をみた方にはすぐに、このカットが後半開始時のシーンと同じであることがお分かりいただけるでしょう。川沿いの手すりやその下を通る溝などは、当時から変わっていません。

 

大きな立て看板があったところは立体駐車場に。奥の旅館はそのまま残っていました

映像の中で目立っていた「国立公園有馬」のたて看板があった場所は、今は立体駐車場に変わっています。奥に映っていた建物は有馬御苑の別館として健在です。

 


太閤橋から東南に15分ほど歩けば、紅葉の名所として有名な「瑞宝寺公園」に着きます。木原博士を追い、「有馬温泉ホテル」を訪れた怪人アブゴメス(変身前)は、ホテルマンに扮した滝から、博士が瑞宝寺公園で散歩をしていると告げられ、公園にやってきます。

場所は同公園に間違いありませんが、作中とおなじアングルを見つけるために、スタッフだけでは力不足です。そこで頼もしい方にご協力いただきました。有馬温泉で郷土史に詳しい藤井清さんです。藤井さんは日本アジサイ協会の副会長を務められるかたわら、地元の歴史を研究されています。

アブゴメスと本郷猛が話す場面を藤井さんにお見せすると、「昭和から公園の様子はだいぶ変わりましたが、映っている場所は大体わかります」とのこと。ノートパソコンを持ち運び、映像と風景を見比べながら公園内を進みました。

 

現在の看板は「神戸の名木 もみじ」=瑞宝寺公園

まずチェックしたのが、最初にアブゴメスが瑞宝寺公園へ着いた証となった「名木 瑞宝寺公園のもみぢ」の看板です。現在の園内では別の看板「神戸の名木 もみじ」が立っていますが、藤井さんによれば、前の看板はもっと入り口近くに立てられていたそうです。確かに作中からは名物の山門近くのような雰囲気を受けます。


次に探したのは、ベンチに座る本郷猛とアブゴメスが映っているシーン。手前にある二又の木や奥に立つ松の木、さらに後ろには石垣や建物のような影が見えます。映像を見た藤井さんは、建物のような影は、昭和47年(1972年、ちょうど第71話が放映された年)に倒れたお屋敷の2階部分にあったガラス戸だといいます。そして導き出された再現アングルが、こちら。

松の木、石垣などは一致した。写真右外には屋敷跡の「錦繍亭(きんしゅうてい)」

松の木、石垣、そして後ろのお屋敷跡(現在は休憩所になっている)と、3点のポイントでほぼ特定することができました。


そしてもうひとつのカットは、しっかりと証拠をつかみました。公園シーンの最後、ショッカー戦闘員に両脇を抱えられて本郷猛が連れて行かれる場面です。藤井さんもスタッフも、突き止めた瞬間はおもわず「やった」「見つけた」と叫んでいました。

低い石垣を背景に本郷猛はさらわれた

右手の平石と二又の紅葉の木がポイント

写真を見ても、作品を知らなければもちろん、知っている方でも分かりにくいかもしれません。決め手は、中央やや右の奥にある平らな石と二又の木。どちらも、本郷猛の後ろにあったものと完全に一致しています。また手前の階段状に積まれた石垣も、そのまま残されていました。
聖地の証拠をしっかりつかむことができました。一緒に園内を回っていただいた藤井さん、ありがとうございました!


瑞宝寺公園から、川を挟んで引き戻ることにしましょう。10分ほど歩けば、切手文化博物館の横にある小高い丘に、細いトンネルを見つけることができます。「金慶洞」です。

有馬川方面からの入り口へ、滝の車が入った

変装した本郷猛を身代わりに、本物の木原博士を車で連れ出す滝和也。しかし金慶洞に入ったところで地獄大使率いるショッカーの一団に捕まってしまいます。

戦いが繰り広げられたトンネル内。先にあるのは旅館「古泉閣」

「どうして俺の行動が!?」
「ふっふっふっはっはっは…」
「地獄大使!」
「ショッカーの最高幹部である地獄大使が直々に、木原博士をお迎えに参りました! さぁ、お乗りいただけますかな?」

地獄大使にはすべてお見通しだったのです。トンネル内でショッカー相手に抵抗をみせる滝でしたが、地獄大使の鞭を前に屈してしまいます。


「無駄な抵抗だ、連れていけ!」




ここまで作品のストーリーに沿って、有馬の市街地にある聖地を順に巡ってみました。しかし、一つ省いているシーンがあります。後半の冒頭、木原博士を求めてアブゴメスが訪れる「有馬温泉ホテル」(架空のホテル名)です。

映像でみえるのは、階段があり緑っぽいガラスブロックの柱に挟まれた入り口や、フロントの向かいに奥へと階段が伸びていくロビー。ホテルマンに扮した滝がアブゴメスに博士の居場所を伝えるシーンでは、右から左に上がる階段があり、奥には格子上の仕切りが見えます。

『仮面ライダーSPIRITS 公式ファンブック 受け継がれる魂Ⅲ』(講談社)では、舞台は「奥の坊」であると書かれています。またファンからも、入り口の構造が似ていることから奥の坊ではないかという見方がありました。

現在の「奥の坊」。左下にあるエントランスの形は似ているが…

ただ、気になるのは館内の配置です。ロビーの場所や階段など、どうしても有馬温泉ホテルと一致しません。奥の坊を含め周辺の旅館にお話を伺ったほか、地域に住むみなさんに映像をお見せするなどしてきたものの、なかなか有力な手がかりをつかめませんでした。

2011年の末より調査を始めてから、年を越えて半ばあきらめていた、その時…。当初は思いもよらなかった形で、結末を迎えることになります。アブゴメスの訪れた「有馬温泉ホテル」は突き止められたのか!?次回『有馬周辺部編』をご期待ください。

 

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取材にご協力いただいた藤井清さん、そして藤井さんを紹介していただいた土産物店「吉高屋」の吉田佳展さん、有り難うございました。

吉高屋
〒651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町259
水曜日定休(繁忙期や祭日の場合は営業)
営業時間:9:00~20:00(延長もあり)
電話番号:078-904-0154  FAX番号 :078-904-0630

 

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